元点にかえれ!

いつも奇抜な方法ばかりを考えたり、派手なやりかたにうつつをぬかしたりでは、
ほんとうの力を身につけることにはならない。またいつもその日だけのこと、
その時だけのことなどを断片的にやるだけでも、実力にはならない。
地味であろうと、古めかしくあろうと、はじめを思い、もとにかえってやることが、
真の力をつける。これを元点にかえるという。
 ふつうには原点と書いているようだ。原はみなもとという意味だ。
岩(厂…がんだれ)の下に泉が湧いている意味だ。元とは、兀…こつ(首、頭)から来ており、はじめの意味である。どちらを書いてもよいが、はじめとか、
もともととかいう意味を強調するならば、元点とかくほうが適切であろう。

よく創立○周年というような行事がおこなわれる。質素に、また盛大にそれぞれの向きによっておこなわれるようだが、いずれにせよ創立当時のはじめにかえり、その時のことを思いだし、どんな気もちでやったのか、目的は何だったか、またその時の苦労は、そして喜びは…などをあらためて自覚する。これが元点にかえるということだ。
事業でも何でも、時代がすすむにつれて、かえてゆかねばならぬことは、たくさんある。旧態依然としていては、とりのこされてしまう。新しいことは、どしどし取り入れるべきだ。だが、創業の精神が忘れられてしまうと、新しく発展しているようでも、ほんとうの力がでなくなって衰退してしまうか、または、まったく別のものとなり変わる。

元点にかえり、また新たなスタートを切る。このくりかえしでやっていると、そのつど内容に重みが加わってくる。宙に浮きかかっていた足も地につく。ゆがみかかっていた姿勢も、まっすぐになる。おごらず、高ぶらず、堂々と仕ごとにとり組むこともできる。創立五年、十年、二十年、三十年…と、いよいよ箔がついてくるのである。 
国家でも同様だ。建国一周年もよい。しかし年をふるごとに、その建国の精神を失わずに、そのつど元点にかえって前進してゆくとき、五十年、百年、五百年、千年と、その厚味を加え、深味を増しつつ、いやが上にもその光彩をかがやかせる。
 それは国の面積の大小、人口の多少などにかかわりなく、重厚味のある独特の魅力となってますます他国の尊敬をうけるようになる。
 個人でも同様だ。自分自身に何か記念になるようなことが起こったとき、それをチャンスに元点にかえるようにする。誕生日などはそのひとつであろう。この生命が両親を通じてこの地上にあらわれ出た日。その時の記憶はもちろん、さだかではないとしても、自分の生命をこのようにはぐくんでくれた親に、祖先に、そして世話になった人々に感謝の意をあらわす。生命のもとに感謝するとは、つまり元点にかえることだ。
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キョウエイホームは創業7年になります。
元点を忘れず、創業の精神でコツコツ努力し実力をつけていきます。