共存共栄こそ経営の柱

 先を見る目、すなわち「先見」を辞書で引くと、「事があらわれる前に見抜くこと。
さきを見通すこと」とあります(『広辞苑』)。
また、中国の歴史書『後漢書(ごかんしょ)』には、「先見の明」という言葉があります。
これは「事が起こる前にそれを見抜く見識」という意味です。見識というからには、
単に先を見るだけではなく、すぐれた判断力、物事の本質を見抜く力が求められます。
かつてF市でカラオケボックスを開店したT氏を紹介しましょう。
当時は、カラオケボックスが世の中に登場したばかりの時代です。
今のように部屋から飲み物を注文する仕組みではなく、利用者は自分で飲食物を持ち込んで、
カラオケを楽しんでいました。 
T氏がカラオケボックスを開店後、近くにあるコンビニエンスストアの売り上げが
急上昇しました。カラオケの利用者が飲食品を買い込むようになったからです。
T氏は、自社ビル内にコンビニを誘致することを考えました。カラオケ利用者の数を考えると、
十分に売り上げを上げられそうです。しかし、その一方でこう考えました。
〈同じ町内にあるコンビニの売り上げが減少しては申し訳ない〉
 T氏はさっそく市場調査を開始しました。自社ビルとコンビニの来客はどの地域の人が多く、
どの方向から来店するのかを調査しました。
その結果、今すでにあるコンビニの主な客層は、自社のカラオケに来る人のルートからは
外れていることがわかったのです。
「これなら、あのコンビニの売り上げも急に下がることはない。カラオケができる前の
業績以下にはならないはずだ」とT氏は判断しました。そして、
自社ビルにコンビニを開店させたのです。
カラオケに来る客は、ビル内のコンビニで買い物をするようになりました。
一方、近所のコンビニも、カラオケ客の売り上げは減ったものの、既存の客層は変わらず、
以前の売り上げを保っていました。結果的に、客を奪い合うことなく、
二店とも業績は順調だったのです。地域の人にとっては、コンビニが増えたことでより
便利になりました。
 商売をする上で、ややもすると、〈わが社さえ良ければいい〉と考えがちです。
しかし、仮にこちらだけが儲けて、相手が潰れてしまえば、共に栄えたことにはなりません。
競い合うことによる張り合いもなくなり、結局は、自分の商売自体も沈滞してしまうものです。
社会に貢献できることをめざし、より多くの人から喜ばれるよい製品を作り、
よい方法で売るように互いに競い合うのが共存共栄(きょうそんきょうえい)である。
社会生活はこれによって成り立つ。もし大型店舗ができたとしても小売業者もそれで発奮して、
より独得な、よい商品を売るように工夫すれば、決して客は減らない。
現実にそうした商店街が、いくらでもある。大も小も共に繁昌している。
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キョウエイホームという社名。
経営理念は、共存共栄。
お仕事をさせて頂きましたお客様には、豊かな住環境の実現で貢献し
協力業者さんには、仕事量増にて
社会には納税にて貢献し
共存共栄を実現します。