AKB48という日本のトップアイドルグループに所属していた指原莉乃さん(22歳)。
平成二十五年六月、「選抜総選挙」というファン投票イベントで一位を獲得しました。
彼女は、前年の総選挙では四位でした。
その直後、福岡県博多で活動するHKT48に移籍となります。
「恋愛禁止」というグループ内のルールを破ったことが発覚したからです。
その際、総合プロデューサーの秋元康氏から「貢献しなさい」と諭されます。
移籍後、指原さんは、当時まだシングルデビューを果たしていなかったグループを
大いに盛り上げ、全国のファンを惹きつけます。その結果、
一度はスキャンダルで引退まで追い詰められた状況から一転、
冒頭の選挙でシングル曲のセンターポジションを勝ち取るに至ったのでした。
指原さんは著書『逆転力~ピンチを待て~』(講談社MOOK)で次のように語っています。
「挫折できてラッキー。私の人生にはピンチが必要なんです。
もっともっと、貢献しなければいけない」
突如、左遷に近い処遇を課せられるという困難の内に、指原さんは
「今は、貢献する時、役立つ時、喜ばれる存在になる時」と、
起きた事象が教える意味を捉えます。そして、新しく加わったグループのメンバーを励まし、
支え、ファンの期待にも応えるという働きによって、
自分の個性が最も輝く生き方を手にしたのでした。
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倫理法人会役員として尽力されている食肉産業店を営むSさん。
平成二十三年六月、資金繰りが悪化し、倒産の危機に立たされます。
倫理経営指導を受けると、父の墓参を通じて、感謝を深めることの大切さを教えられます。
Sさんは墓石の掃除、花を手向け、必死に詫び、応援の要請を亡き父に訴えたのでした。
夜中に飲み歩く、二十年来の生活も改めました。
幾週間後、氏の商品がテレビ放映されるハプニングによって、爆発的な売れ行きとなり、
資金繰りが回復するというドラマが会社を救います。
Sさんはこの一連の経験を通して、亡き父の真の願いに目覚め、愛情を知りました。
倒産の危機そのものが、「父の真の息子となり、途切れていた絆を紡ぎ直すことが必要だ」
と気づくための、刺激として起きた苦しみだったのだと、その意味を解釈したのでした。
紹介した事例に共通しているのは、耐え難いような環境下に自身が置かれた時、
その事象が示唆するメッセージを的確に捉え、改善あるいは向上のための取り組み(実践)
に全身全霊を傾けたことであるといえるでしょう。
純粋倫理では、苦難の意味を知り、原因を取り去り、自然な生活に戻るための実践に挑む時、
これまで人の役に立ってきた努力が報われるというのです。
幸福への活路は、生活の赤信号として知らされるメッセージに勇気を奮い起こして
向き合うことから開かれます。その時、ピンチはチャンスへと昇華されるのです。
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指原さん、若くしてこの心境は素晴らしいです。
普通ならば挫折し身を崩しますね。
ピンチの原因を突き止め、チャンスにします。